まずは、出雲そばの特徴からご紹介します。島根県の名物・出雲そばは、岩手県のわんこそば、長野県の戸隠そばと並んで、日本三大そばと言われています。独自の挽き方・食べ方が特徴的です。

出雲そばは、殻が付いた状態でそばの実をそのまま挽く「挽きぐるみ」という製粉方法を採用しています。通常そばは殻を取って製粉しますが、出雲そばは殻のまま挽くため見た目が黒っぽいのが特徴。そして香り高く風味豊かで食感が良いのが魅力です。

出雲そばの代表的な食べ方は、割子そばと釜揚げそばの2種類です。どちらも、そばにつゆをかけて食べます。

まずは、出雲エリアにあるそばの名店からご紹介します。出雲の人気観光スポットと言えば出雲大社。その出雲大社から徒歩・車でスムーズにアクセスできるお店を厳選しました。

そば処 かねやは、出雲大社から徒歩2分のところにある老舗そば屋です。出雲大社を訪れた観光客が多く訪れるお店の1つです。ここで堪能できるのは、挽きたて・打ち立て・茹でたてと3拍子揃ったそばで、比較的コシがあるのが特徴的。うるめいわしと日高昆布を使用したつゆも、こだわりの1つです。出雲そばの風味・香りを引き立てる、コクのある味わいに仕上がっています。

看板メニューは「三色割子3段」。3つの器に盛られたそばに、生卵・海苔ねぎ・とろろと3種類の薬味がそれぞれ乗っており、異なる味わいを楽しめます。店内にはテーブル席と小上がり席があり、ひとりでも家族連れでも利用しやすいお店です。

江戸時代末期から続く老舗そば屋。大正天皇にそばを献上したことが、献上そばという店名の由来です。12代目となった現在でも、地元で作られたそば粉を中心に使った、昔から変わらない製法で作られています。羽根屋本店の薬味で特徴的なのが、もみじおろしです。大根の苦み・唐辛子の辛さを、海苔・ネギがマイルドにし、絶妙な味わいを醸し出します。

店内は、1階にテーブル席、2階と離れには和室席を用意しています。1階奥には、坪庭を眺めながらそばを食べられる席も。八雲神社からは徒歩で約7分、出雲大社からは車で約18分のところにあるので、参拝後の食事におすすめです。

次に、松江エリアで人気が高いそばの名店をご紹介します。出雲から少し足を延ばした松江にも出雲そばの名店が豊富です。ここでは、松江城から徒歩圏内にある2件のお店をピックアップします。

神代そばは、松江城から徒歩3分ほどのところにあるそば屋です。つなぎなどをいっさい混ぜていない十割そばが楽しめるのが最大の魅力。そばの実は、3台の石臼を使って3回挽かれ、コシが強い上に風味・香りともに豊かです。また、つゆには出雲地域で長く親しまれている料理酒「地伝酒」を使っており、うまみと甘みが感じられるまろやかな味わいに仕上がっています。

神代そばでは、島根・松江産のそばに加えて、具材も島根産。地元の食材を積極的に取り入れていることにこだわっています。お店で一番の人気メニューは、とろろと生卵を乗せて食べる、とろろ割子です。

松江城から徒歩10分のところにある八雲庵は、もともと武家の邸宅だったという風情あるそば屋です。多くの有名人や地元民に愛されています。そばはお店で毎日手打ち。なかでもお店の名物として知られているのが、鴨南蛮そばです。鴨特有のクセがなく、旨味を存分に感じられます。また、きれいに透き通った出汁は上品で味わい深いです。山椒をかけて味にアクセントをつければ、違った味わいを楽しめます。

もちろん、定番の割子そばも人気メニュー。厳選した本節のかつおと鴨なんばんのための地元のお醤油が決め手です。そばと一緒に松江の地酒を楽しみたいなら、割子そばと天ぷらのセットがおすすめです。

松江駅から徒歩3分とアクセスしやすい場所にあるのが、松江エクセルホテル東急です。出雲・石見・隠岐の島の3エリアをテーマにした客室が特徴で、いずれもゆったりと過ごせる空間に仕上がっています。各部屋にはシモンズ社製のベッドを完備。上質な睡眠で旅の疲れをリセットできます。またホテル内のレストランでは、城下町の雰囲気が漂う中で島根ならではの食材を使った料理を堪能できます。目でも舌でも島根を感じられる島根づくしの空間をお楽しみください。

日本三大そばのひとつである出雲そば。島根県内には、出雲そばの名店が豊富ですが、なかでも本記事で紹介した出雲・松江エリアのお店は、観光の際に立ち寄りやすいスポットです。お店ごとで異なる味わいを楽しめるのも魅力的。島根旅行の際は、県内の名店で歴史ある絶品のそばを堪能してみてください。

※掲載されている情報は2022年4月時点のものです。掲載情報は予告なく変更になる場合があります。