コースのスタートは、ごぼうのような味わいでありながらほのかな甘さを蓄えた旬の菊芋を使用したヴルーテ。生クリームを加え、滑らかで濃厚な味わいに仕上げました。仕上げにトリュフオイルをお好みでかけていただきその香り包まれながらコース料理の特別な始まりを彩ります。

とろけるような舌ざわりの甘海老を主役とした冷前菜。シャキシャキとしたキャロットラペ、生クリームあふれる濃厚なブッラータチーズを甘海老と重ねました。酸味の利いたレモンジンジャードレッシングで仕上げることで甘海老の甘さを引き立つ味わいに。飾りに甘酸っぱい金柑のコンフィを花のように散らした華やかな一品です。

ミネラルに富み旨味をたっぷりと蓄えた旬のゴボウを基調とした温前菜です。ゴボウをメインにピューレを作り、香り豊かでほんのりとブドウのやさしい甘味を感じられる「マデラワイン」と「ポートワイン」の二種類のワインを加え味に深みが増します。そこに濃厚なくちどけのフォアグラのポワレを添え、ゴボウのフリットをあしらいました。仕上げに葉巻に見立てたサクサクの蕎麦粉のガレットを添えました。

冬になる旬である鮟鱇は身がぎゅっと引き締まった鮟鱇を魚料理の主役としました。世界三大生ハムと称される鮮やかなピンク色であり塩味がおいしいハモンセラーノ、キャベツで巻き蒸し、数種類のハーブがブレンドされたペルノ酒、あさりの出汁を利かせたスープに、爽快な香りをもつセルフィーユやディルを加えた鮮やかな色合いのスープ。春らしい色合いのカラーを演出いたします。

華やかで目を引くピンクを基調としたメインディッシュをご用意しました。脂肪分が少なくありながら上品な甘さと旨味にあふれた国産牛フィレ肉を肉本来の味を楽しんでいただけるようにグリエ仕立てに。深みのある赤ワインの味わいを感じられるヴァンルージュソースとビーツピュレを添えました。ぜひお好みのコンディメントで一味も二味もお楽しみください。

鮮やかで春らしい色合いであり爽やかに香る柚子と「日本食材」にとしてなじみのあるスパイスである生姜に焦点を当てたデザートをご用意しました。ほんのりとやさしく香柚子風味のチーズケーキがフライパンの中に隠れており、その上には生姜を利かせたクッキーを散らしました。付け合わせには生姜風味のバニラアイスを添えることで生姜尽くしのデザートをご用意。

コースの結びには初春を思わせるよもぎをつかったフィナンシェで締めくくります。爽やかな蓬が香るフィナンシェにきな粉と小豆をデコレーションいたしました。