満天の星空を見るためには、いくつかの条件が揃っていることが重要です。長野の星空が美しく見える理由と星が綺麗に見える条件についてご紹介します。

長野は高い標高の山に囲まれていることから「日本の屋根」と呼ばれている県です。標高が高くなると、気圧が低くなり空気が薄まるため、視覚にも空気の影響が少なくなります。その結果、星がたくさん見える環境が生まれます。

空気が澄んでいないと、弱い光の星を肉眼で捉えられません。また、空気中に漂う物質が街の灯りを反射し、空を明るくしてしまいます。長野は大気環境保全活動に力を入れているので、空気が澄んでおり、星空が綺麗に見えるのです。

ネオンなどの強い光が輝く街中では、空も明るくなり、星が見えづらくなってしまいます。街中でも見られる星は1等星や2等星など強めに光る星のみ。降るような星空を見るためには、5・6等星くらいの弱い光まで地上に届く必要があります。長野の星空スポットはネオンなどの光が届かない場所が多く、5・6等星の弱い光まで見えやすいのが魅力です。

ここからは、美しい星空を満喫できる長野のおすすめスポットをチェックしていきましょう。まずは、阿智村(あちむら)の星空スポットをご紹介します。阿智村は「星の観察に適した場所」第1位（2012年環境省発表）を獲得したことでも有名です。

スキー場のヘブンスそのはらは、複雑に入り組んだ山々のおかげで集落の灯りが届かないという好条件により、星空を余すことなく堪能できるスポットです。ヘブンスそのはらでは､天空の楽園【日本一の星空】ナイトツアーを開催しており､山麓の「ステーションベガ」駅からゴンドラに乗って15分で到着する山頂から、　視界いっぱいの美しい星空を満喫でき、イベントも開催されています。

また、満天の星空が体験できる「恋人の聖地」としても知られており、デートはもちろん一世一代のプロポーズの場所に選ぶカップルも。さらに、条件が良ければ早朝に雲海を望むこともでき、短い期間ですが、雲海ツアーも開催されています。

標高1,200mの山あいにある浪合パークは、2018年オープンの星空観賞施設。豊かな自然の中で美しい星空が見られると人気の場所です。星空デッキのプランはゆっくり星空観賞をしたり、美しい星空を撮影したりと、思い思いの楽しみ方で夜通し過ごせます。

ゆったり星空に身をまかせるようなハンモックや、アウトドア体験も同時にできる薪火などさまざまな趣向が凝らされているプランがあるのも魅力です。星座についてわかりやすく解説してくれる、星空観察会も定期開催されているのでチェックしてみてください。

標高1,300m、八ヶ岳の麓にある原村(はらむら)の八ヶ岳自然文化園は、「自然のプラネタリウム」や「星の降る里」などと呼ばれ、星空観賞のメッカとしても知られています。そんな原村で星空を満喫できるおすすめスポットを見ていきましょう。

パターゴルフ場やキックバイクといったスポーツが楽しめる施設に加え、プラネタリウム、自然観察科学館なども有する複合的なレジャーと文化の郷。日が暮れると八ヶ岳の夜空を無数の星が彩る、長野県内でも指折りの観察スポットです。

満天の星はもちろん、天気の良い日に眺められる天の川も見どころです。35年の歴史を持つ「星空の映画祭」の開催地として知られている他、4月から12月は月に1度星空観望会が開催されています。

対岸に一望できる八ヶ岳連峰が水面に映り込んだり、みごとな紅葉が見られたりと素晴らしいビューポイントとの呼び声が高い、八ヶ岳自然文化園に隣接する小さな溜め池です。実際の星空と水面に映し出される星空はなんとも神秘的。徒歩15分のところにある「ふれあいセンターもみの湯」は美肌の湯として人気があるので、星空観賞とあわせて疲れを癒しに訪れてみてはいかがでしょうか。

ロマンチックなデートにもぴったりな、長野県内の自然溢れる高原もチェックしておきましょう。降るような美しい星空を満喫できます。

美ヶ原は標高約2,000mにある広大な高原。空気が澄んでおり、光に邪魔されることなく星空を眺められる人気のスポットです。晴れた日には、空一面広がる天の川を肉眼ではっきりと捉えられます。流れ星も見つけやすいため、流星群が見られる時期もおすすめです。また明るい時間に訪れても、富士山や八ヶ岳、日本アルプスなどの日本を代表する山々の大パノラマが体感できるでしょう。

こちらも2,000m級の標高を誇る高原です。澄み渡った空気のおかげで、空いっぱいに広がる星が、手を伸ばせば届きそうなほどクリアに見えます。自然環境が豊かな場所ですが、上信越自動車道の小諸インターチェンジを降りて約30分ほどの場所にあり、アクセスしやすいのもポイントです。

標高1,200mの萱野高原は、美しい長野の街の夜景を見降ろせるスポットとして人気ですが、同時に綺麗な星空を楽しめるスポットとしても有名。長野県が選定した信州のサンセットポイント100選にも選ばれているので、夕暮れから訪れるのもおすすめです。展望デッキが設けられており、デートにも適した場所と言えるでしょう。

長野の星空スポットを訪れる際、注意すべきなのが気温や環境面についてです。快適に星空観察できるよう、服装や装備の注意点もチェックしておきましょう。

長野の星空スポットは、標高の高さから夜にはかなり冷え込むことが予想されます。そのため、しっかり防寒できる暖かい服装で訪れることが大切です。寒いと感じたら使えるように、カイロを携帯しておくと良いでしょう。わきの下には太い血管が通っているので、ここにカイロを当てると効率よく体が温まります。

防寒には、風を通しにくい上着やダウンジャケットが向きます。なるべく肌の露出部分が少なく、保温効果の高いものを選びましょう。特に足元が冷えないように対策を。靴下は厚手、靴は登山用のブーツなどが適しています。ブランケットや帽子、手袋もあると安心です。

移動時に暗がりがあると危ないので、懐中電灯を用意しておいた方が良いでしょう。明るすぎるものは星を見る妨げになるため、発光部分を赤いセロファンで覆うか、赤色光ライトがおすすめです。また、星空スポットは自然豊かなので、虫よけ対策もしておくと安心。その他、ゆっくりと星空観察を楽しむための双眼鏡やレジャーシートもあると便利です。

美しい星空の眺めを満喫したら、綺麗な写真を残すことにもトライしてみましょう。ここでは星空を上手く撮影するためのポイントや、撮影する際に役立つアイテムをご紹介します。

星空を撮るのにおすすめなのは広角レンズです。星の軌跡を追ってくれるカメラ用の雲台を使えば、星を鮮明な点で撮影できます。簡単にセッティングでき、携帯しやすいサイズは初心者でも扱いやすいでしょう。

スマホによっては星空撮影に適した設定がある場合も。ない場合は、星空撮影に向くカメラアプリを利用してみましょう。アプリにはさまざまなものがあるので、使い勝手の良いものを探してみてください。

星空は、JPEG形式よりもRAW形式で保存した方が綺麗に写る場合があります。そのため、画像をRAW形式で保存できるカメラアプリがおすすめです。

赤色LED付きコンパスがあると、方角がわかるので星座などを探しやすくなり便利。赤色LEDであれば、低照度なので明るくなりすぎません。また、三脚があるとブレずに綺麗な写真を撮れます。カメラ用はもちろん、スマホ専用の三脚もあるのでチェックしてみましょう。

星空とあわせてリゾート気分も満喫したいなら、蓼科東急ホテルがおすすめです。標高1,300mにある蓼科の山岳リゾートで、東急リゾートタウン蓼科内の温泉やガーデンなどでゆっくりと過ごせます。レストランでは吟味を重ねた地元の味覚、蓼科の旬の食材を堪能。さらに、落ち着いた雰囲気の客室は、森の中で眠る上質な宿泊体験を与えてくれるでしょう。

長野には降るような星々を見られるスポットが数多くあります。満天の星空の下過ごす時間は、きっと忘れられない思い出になるはず。また、蓼科東急ホテルに宿泊してゆっくりリゾート気分に浸れば、星空巡りの旅がより充実するでしょう。ぜひ感動の星空を体験しに、長野を訪れてみてください。

※掲載されている情報は2021年11月時点のものです。掲載情報は予告なく変更になる場合があります。